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今年のお正月 [みちくさ]
みちくさ vol.46 No.1 (2020)
いわば「正月」の風物詩でもあった「男はつらいよ」が途絶えてから二十数年。その第五十作「お帰り寅さん」を見に行った。第一作の劇場公開は一九六九年八月だから、それから五十周年でもあるという。 シリーズ主演の渥美清さんが亡くなったのは九六年で、その翌年の正月、地元の新聞に「寅さん」のことを次のように書いていた。筆者、五十歳のときである。 ―(寅さんシリーズを)何時頃から見始めたのかはどうもよく思い出せな...
人間の叡智の限界 [虫めがね]
虫めがね vol.45 No.6 (2019)
「夢の溶媒」と言われたフロンは、その無毒、安定、不燃、高溶解能などの理想的な性質がある為に、冷媒、洗浄剤、発泡剤、スプレー剤、消火剤など広い範囲で多用された。二十世紀最大の発明の一つとまで言われていた。ところがその後、フロンは地球を覆っているオゾン層を破壊(環境破壊)することが判り、今では世界的に使用禁止となっている。 同じような運命をたどった物に有機塩素系殺虫剤DDTがある。DDTは人畜には急性...
にわかラグビーファン [みちくさ]
みちくさ vol.45 No.6 (2019)
今年の秋は、ラグビーのワールドカップの話題で持ちきりであった。TV生中継があったプールAの最終戦、日本対スコットランドの視聴率は今年放送された全番組の最高視聴率で、試合終了時には五三・七%(関東地区)もあったそうである。筆者はTV観戦のみであったものの、よく見ていて、次第に「にわかラグビーファン」の一人になってしまった。 まず驚いたのは、日本代表の約半数が日本人ではなかったことであるが、このことは...
しろうさぎ [みちくさ]
みちくさ vol.45 No.5 (2019)
前号で、七十数年分の「木材工業」誌が収められたUSBのことを紹介し、これを読むのは「遺跡発掘作業のようでもあり、原稿ネタには苦労しなさそうではある。」と結んだ。そしてここ数か月、まさにその作業が続いており、飛ばし飛ばしながらも、やっと昭和期が終わるところまで来た。 実はこのコーナー、今回で三十回目になるのだが、その初回、業界関係雑誌のコラム欄として掲載されていた例として、この「木材工業」誌の「しろ...
プラスチック塵と海洋汚染 [虫めがね]
虫めがね vol.45 No.5 (2019)
プラスチック塵が大量に海に流れ込み、生物に大きな被害を与えていると問題になっている。国際環境NGO「グリーンピース」の調査によると、死んだクジラ、イルカ、ウミガメ、海鳥などの胃や腸から大量のプラスチック片が発見された。レジ袋やペットボトルの破片などを誤って飲み込んで、それらが胃や腸にたまり、その結果、餌を捕食できず、栄養失調で死んだとみられる。プラスチック塵は太平洋や大西洋のみならず、北極海や南極...