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トライアウト

みちくさ vol.44 No.6 (2018)

前回、ちょうど話題になっていた、高校野球、それも金足農業の件を書こうと思っていたところに、台風二十一号、地震と続いた。

後者は「北海道胆振東部地震」と命名され、ブラックアウトと液状化の件はまだ尾を引いている。この「胆振」という地域名を「いぶり」ではなく「きもふり」あるいは「たんぶり」と読んだ方もおられよう。なお、これは北海道に多いアイヌ語由来でなく、日本書紀に出てきているのだそうである。筆者、ご当地、胆振東部の高校を卒業しているが、この件全く知らなかった。

ところで国内のプロ野球(NPB)の方は、その後、クライマックスシリーズ、ドラフト、と続き、今、日本シリーズの真最中である。

このドラフト会議(正式には「新人選手選択会議」という)では、育成を含め一〇四名が指名された。北海道には金足農業の吉田君に加え、甲子園を沸かせた高卒が何人か来ることになりそうで、数年後が実に楽しみな状態になってきた。清宮君もいるし。

暇にまかせて指名選手の内訳を調べてみた。結果は高校生四七、大学生三一、その他社会人二六、ポジション別では投手六〇、野手四四ということであるが、プロ志望届提出選手数は高校生一二三、大学生一一〇というから、指名されたのは高校生では約4割、大学生では3割ということになる。指名されなかった学生は進学、あるいは就職、はたまた独立リーグに入って次の機会を窺うのだろう。

さて、NPBの選手はどのくらいいるか、といえば支配下選手登録(一軍と二軍を合わせた全選手)は一球団あたり最大七〇であるから、全球団で八四〇、これに育成選手制度というのがあって、都合九〇〇人くらいになる。

ここに新人が採用される、ということは押しだされる選手がいる、ということで、毎年約一〇%の人間が入れ替わっていくのである。功成り名遂げた状態での「引退」はまだしも、突如、球団から戦力外通告をされトライアウトに挑戦する、かつてのタイトルホルダー、あるいはドラフト上位指名選手の話もよく聞く。

ちなみに選手寿命は平均で八~九年、平均年俸は球団によって違うが四千万円弱、日本シリーズで対戦するソフトバンクは約七千万円でトップ、広島はその4割くらいとのこと。

(徒然亭)

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