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週休七日制

みちくさ vol.45 No.3 (2019)

先般、一連の改元関連行事があった。このとき五月一日の新天皇の即位日を今年に限り「祝日」としたため、その前後の日が「国民の休日」となり、完全週休二日制の官公庁等では、結果として十連休になった、というわけである。

小生が就職した一九七二年頃の土曜日の業務は午前中に終了、午後は休み。これを「半(はん)ドン」―今やもう「死語」―といった。なお、この「ドン」の由来は「オランダ語で日曜日を意味するゾンタクの訛り」など数説がある。この制度は一八五〇年のイギリスに始まり、日本には一八七六年に官公庁に導入された。週休二日制の企業が増えてくるのはその百年後の一九八〇年頃からで、一九九二年五月に国家公務員の完全週休二日制、二〇〇二年度から公立学校の完全週五日制が実施される。

一方、祝日数は一九九二年には十三日、今は十六日もある。この数は先進国中では最多なのだそうで、この背景として、積極的に有給休暇を取りにくい日本の労働事情に配慮して、公的休日を多くしている面もあるという。

祝日が日曜日の場合、その翌日の月曜日を振替休日とする制度は一九七三年からで、それまでは振替はなかった。そして次第に祝日が増えていき「国民の祝日の日曜日の翌日の月曜日以降の国民の祝日でない祝日の翌日を休日とする」ことになる。これが冒頭の「十連休」につながる。

この評価にはいろいろあるようで、ネット上でも、曰く、

『経済全体にはプラス。国内外への旅行関連だけで三三二三億円の追加需要となり、四―六月期の実質GDPを+〇・六%ポイントほど押し上げ、政府にとっては「旱天の慈雨」。「カネのかからない経済対策」ということが認識され、来年以降も祝祭日に平日を組み合わせるなどで「大型連休」作りが行われる予感。』

『満員電車でもみくちゃにされていたのが、行楽地や高速道路でもみくちゃにされるのに変わっただけの話。今回のような連休が働き方改革の一環だとか、国内産業の活性化につながるとか触れ回っているが、長い目で見るとまったくそんなことはなく、むしろ社会が抱える諸問題を悪化させてしまう。』というのもあった。

週休七日制にある私には異国の話のようでもあるが、著しく同意する。

(徒然亭)

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