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今年の流行語大賞予想・3

みちくさ vol.46 No.4 (2020)

同じタイトルで2回続けた。いわば筆者の備忘録でもあるが、その後もいくつか候補が出てきている。「東京アラート」「ウイズ・コロナ/アフター・コロナ」「リモート会議」。まだまだある。

まず「自粛警察」。いわば「市民の相互監視状況」で、「太平洋戦争時に作られた『隣組』と共通するところがある」との一ノ瀬俊也・埼玉大学教授の記事がWEBに掲載されていた。その共通点とは「通報する人たちが『お国のため、全体のために』と考え、よかれと思ってやっているところ。人間の中に『人の役に立ちたい』『みんなに貢献したい』という欲求はいつの時代にも存在するが、ちょっとしたきっかけで、変な方向に暴走する。」とある。前に書いたインフォデミック的要素もありそうだ。

「巣篭り」。外出せず自分の住処に留まり続けること。もともとは鳥や虫の行動を指す表現で、俳句では春の季語であるが、最近では人が行楽や外食などを避けて自宅で余暇を過ごすことを指す表現としてもよく用いられる。今回の「不要不急の外出」の自粛時には「自宅での過ごし方をより充実したものにしたい」といった需要の高まりから、DIY関連企業の売り上げが増えたのだそうだ。また隠語大辞典によれば「普通忍び込み窃盗犯」―要するに空巣や強盗など―も意味するとのこと。

「アマビエ」。日本に伝わる妖怪。海中から光をかがやかせるなどの現象を起こし、豊作・疫病などに関する予言をしたとされる。今回、厚生労働省が作成した新型コロナウイルス感染症拡大阻止を呼び掛けるアイコンはアマビエをモチーフにしている。最初「アマエビ」と読んでしまった。

「スピード感/緊張感をもって...」(多分、これらは大賞にノミネートされることはないだろうが)。あるブログでは、「スピード感というのは本来感じるものであって、行動の有様を示す言葉ではない。何故、〈迅速に・・・.〉とか〈スピーディーに〉という行動表現をしないのだろうか?ひょっとしたら、〈感〉を付けることで、役人だけに通じる『外面的には迅速に、実際は程々に』というような暗号かも?とついつい勘繰りたくなる。」と。全く同感。

また後者については「緊張感のない人は仕事を覚えない、ミスを連発する」のだそうである。そんな人達が使いたがる言葉なのかもしれない。

(徒然亭)

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