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寅さんの古里

虫めがね vol.43 No.1 (2017)

先日、仕事で東京に行った時(わたしは関西在住)、翌日の予定が空いたので、葛飾柴又の帝釈天に行った。山手線の日暮里駅で京成電車に乗り換えると柴又駅に着く。駅の改札口を出ると「フーテンの寅」さんの像が出迎えてくれる。この葛飾柴又は、映画「男はつらいよ」の車寅次郎の古里である。

柴又駅から帝釈天(題経寺)へ向かう参道の両側には、名物の草だんご屋やウナギ屋など、昔ながらの風情のあるお店が並んでいる。これらのお店を覗きながら参道を歩いていくと正面に帝釈天題経寺がある。題経寺は予想したより立派なお寺であることに驚いた。帝釈堂をめぐる外壁に飾られた法華経説話を描いた木彫や邃渓園(すいけいえん)という立派な日本庭園などがあり感心した。帰りに参道に「とらや」という草だんご屋があったのでお土産に買ったら、その素朴な美味しさに、女房に大変喜ばれた。

更に驚いたことには、帝釈天に隣接した場所に「寅さん記念館」があることである。石原裕次郎記念館や美空ひばり記念館など、実在の有名人の記念館があるのは知っているが、寅さんという架空の人物の記念館があるのだ。この記念館は葛飾区の観光事業で作られたらしいが、寅さん誕生から、いつも振られるマドンナとの名場面などが展示されている。寅さんの実家「くるまや菓子舗」やタコ社長の「朝日印刷所」の撮影セットなども保存してある。その裏手には寅さん映画にたびたび登場した大きな江戸川が流れており、「矢切の渡し」がある。ここらは昔ながらの水郷の風情を味わえる風景であった。

「寅さん記念館」に隣接して、「山田洋次ミュージアム」がある。ここには、寅さん映画の生みの親とも言える山田洋次監督にまつわる記念品が展示されている。寅さんを演じた渥美清がまだ寅さん役に出会う前の作品を映画スチールで見ることが出来る。

なぜ、わざわざ葛飾柴又に行ったかというと、わたし(そして女房も)は、映画「男はつらいよ」の大ファンである。わが家には「男はつらいよ」の映画全四十八作を収録したDVDがほとんどそろっている。夕食を取りながら、これを見て笑うことは食べた物の消化を促進し、健康にも良いのではないかと思っている。

♪寅さんが笑ったような人に会い♪

(赤タイ)

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