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木材保存誌コラム
ドングリの木 [虫めがね]
虫めがね vol.37 No.1 (2011)
「ドングリという名の木はありません」
毎年秋になると学生たちと大学近くの公園にドングリ拾いに出かける。自然観察授業の一環である。出かける前にドングリについての基礎知識を説明する。ドングリはブナ科植物の果実であり、日本には五属二一種がある。そのうち八種類くらいはアク(渋)抜きしなくても、蒸したり、炒めたり、粉にして団子にして食べられる。栗もドングリの仲間ですと言うと、「へー」と意外な顔をしている。日本に稲作技術が入ってくる前の縄文時代の日本人にとってドングリは大切な食料であったと話す。そして、食べても渋くないドングリの見分け方を説明する。筆者が子どもの頃はドングリを食べた経験があるが、いまの若者たちはドングリを食べたことがないようだ。
エノキとオオムラサキ [木くい虫]
木くい虫 vol.37 No.1 (2011)
ニレ科のエノキ属植物はアジアの温帯から熱帯にかけて約70種を産し、国内にはエノキ、エゾエノキ、クワノハエノキ等が分布している。エノキは材質があまり良くなく強度も比較的小さいため、家具や雑用材に用いられるほかは薪炭材としての用途くらいである。したがって、本誌の読者にはあまりなじみの無い樹種であるかもしれない。しかしオオムラサキの食樹として蝶屋(蝶愛好家)には大変有名な樹木である。