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木材保存誌コラム
「虫めがね」百回記念
虫めがね vol.51 No.2 (2025)
次号用にこのコラムに何を書こうかなと、過去に掲載されたコラムをぱらぱらとめくっていたら、次回でちょうど百回目になることに気付いた。第一回は二〇〇七年に雑誌「木材保存」第三三巻三号に掲載されている。今年は二〇二五年なので二〇〇七年から書き始めて足かけ十九年に渡り百回の執筆をしたことになる。書いたわたしもよくぞ百回もと思うが、木材保存の編集者の方もよくぞわたしの下手な原稿を引き続き受け入れてくれたものだと感謝の気持ちが湧いてくる。
「木材保存」の発行は二か月に一回である。この間隔はわたしが虫めがねの原稿を書くのにもちょうど良く大きな負担にならないことが百回も続いてきた大きな要因であろう。
コラムとは何であろうかと改めて広辞苑を引いてみると「新聞・雑誌の囲み記事」とある。内容については何も制限はないようである。
百回というと大きなひと区切りである。これまでにどんな内容のことを書いたのだろうかと調べてみた。
・害虫、昆虫、虫など
・鳥、動物、ペットなど
・植物、野菜、薬草など
・食べ物、飲み物
・スポーツ(ゴルフなど)
・文藝、川柳など
・旅行、観光
・人間生活、社会生活
など様々である。系統だってはいない。ただわたしの専門が「殺虫剤」であるのでそれに因んで害虫、昆虫など虫に絡んだ話がやや多い気がする。
コラム名の「虫めがね」は日頃些細な事として見逃していたような事でも虫めがねで拡大してじっくり見ると興味深いことが見えてくるという意味でつけた。このコラムの原稿の種を探す為にも、日頃の生活も注意深く見ることを心がけている。このことは後期高齢者になったわたしには脳細胞を刺激して呆け防止の効果があるという余徳がある。
このコラムには文字数が八七〇字前後という縛りがある。思いつくことをだらだらと書くのは容易であるが、すぐにこの縛りを超えてしまう。それでどれを残し、どこを削るか絞り込むのに工夫がいる。絞った結果エキスが残って味のある文章になることが多い。
これから何を書くかは、これからどこに行って何を見て、何を考えるか、何を経験するかにかかっており、自分でも大いに興味深い。あちこちに旅行して新しいものを見て、聞いて、美味しいものを食べて、いろいろな経験をしようと思っている。
今の心境は、この「虫めがね」をあと何回つづけられるかどうかは不明であるが、次の二百回記念を目指してスタートするのだという気持ちでいる。
♪石を積む ひたすらに積む暮れるまで
(赤タイ)