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木材保存誌コラム
今年は蝉の鳴く時期が遅かったか? [虫めがね]
虫めがね vol.51 No.5 (2025)
今年は蝉が鳴き出す時期が遅かったという人が多い。昆虫館なんかへも、 「今年のセミの初鳴きは遅いようですが、温暖化の影響ですか?」との問い合わせの電話が多かったそうである。 東京や福岡に住んでいるわたしの友人たちからも、今年は蝉の鳴き声が聞こえなくて淋しいと七月初めころメールを送ってきた。 この原稿を書いている八月初旬になると、すでにセミがあちこちで鳴いていて姦しい。わたしは兵庫県に住んでいるが…
俳句は川柳よりすぐれた文芸か? [虫めがね]
虫めがね vol.51 No.4 (2025)
俳句の方が川柳よりすぐれた文芸だと言う人がいる。そう言う人は、 「川柳は単純に笑わせるだけ」 「川柳は品位に欠ける」と言う。 確かにシルバー川柳、サラリーマン川柳、夫婦川柳、駄洒落川柳など人を笑わせて受けを狙った句もある。 俳句と川柳はどこが違うのかを考えてみよう。どちらも五・七・五の十七音で構成されており同じである。俳句には季語や切字があるが川柳にはなく、自由である。俳句は自然や花鳥風月を詠むが…
イタリア人は蚊に刺されないのか? [虫めがね]
虫めがね vol.51 No.3 (2025)
かなり昔の話になるが、仕事でイタリアに出張した時のことである。イタリアでは牛豚舎のハエをどのように駆除しているのか視察する為に地方の山村に行った。数か所の牛豚舎を見て回るうちに、わたしの両腕には蚊に刺されて赤く腫れた膨疹があちこちに出来て痒くてたまらなかった。夏の暖かい日であったので半袖シャツを着ていたので両腕のあちこちが襲われたのだ。 “痒くてたまらん”という顔をしていたら、同行していたイタリア…
「虫めがね」百回記念 [虫めがね]
虫めがね vol.51 No.2 (2025)
次号用にこのコラムに何を書こうかなと、過去に掲載されたコラムをぱらぱらとめくっていたら、次回でちょうど百回目になることに気付いた。第一回は二〇〇七年に雑誌「木材保存」第三三巻三号に掲載されている。今年は二〇二五年なので二〇〇七年から書き始めて足かけ十九年に渡り百回の執筆をしたことになる。書いたわたしもよくぞ百回もと思うが、木材保存の編集者の方もよくぞわたしの下手な原稿を引き続き受け入れてくれたもの…
漢方(薬草)の楽しみ(続編) [虫めがね]
虫めがね vol.51 No.1 (2025)
「梅酒」これは薬草とか漢方とかに興味を持つ前から嗜好品として飲んでいた。毎年六月の下旬ころに青梅とホワイトリカーを買ってきて二瓶ほど漬けている。年末には飲めるようになっているが、飲まずに小瓶に入れて保存し、熟成にまわす。飲むのはすでに熟成させた二年ものや三年ものである。熟成させると味が軟らかくてまろやかになり美味しくなる。わたしが長く梅酒を愛用しているのは、夏に猛暑が続き夏バテ気味となり食欲も落ち…




