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2017年 Vol.43-No.4

1.会議・委員会
1)第6回定時総会(5月23日)

メルパルク東京(東京都港区芝公園)において,270名(委任状含む)の出席をもって開催した。今村会長より,以下の挨拶がなされた。

「平成28年度の事業決算は,経常増減額をプラスにすることができ,会員,関係団体の皆様に厚く御礼申し上げる。さて,平成29年度には3つの協会独自事業を実施することにした。1つ目は顕彰事業で,当協会は既に技術奨励賞と学術奨励賞を設けているが,これに加えて,若手だけでは無く壮年層をも対象にした「日本木材保存協会功績賞」を発足させることにした。また,年次大会では従来のポスター賞に加え,優れた口頭発表に対して顕彰する「ベストプレゼンテーション賞」を設けた。2つ目は,国際交流活動を活発にする為,2021年度にIRG 日本大会を開催すべく機関決定し,IRG 事務局に対して立候補を表明した。それに向け,IRG 年次大会への参加の促進を目的に,主として若手を対象とした渡航費等の助成制度を設けた。3つ目は,平成26年度,27年度に林野庁の補助によって保存処理木材中の薬剤分析方法の研究・開発を行ったが,更に分析法の改良及び精度の向上を図るため,「木材保存剤分析方法の規格化委員会」を立ち上げて,研究を継続することとした。引き続き,木材の長期使用につなげる耐久性能と信頼性を担保するため,各種の調査・研究活動,普及・啓発活動を会員,関係行政庁及び関係諸団体と力を合わせて実施し,木材の利用拡大へ向けて努力していくので,皆様のご協力をお願いする。」

来賓として,林野庁木材産業課木材製品技術室井口真輝室長,農林水産省消費・安全局表示・規格課古藤信義課長補佐,林野庁木材産業課木材製品技術室岩井広樹課長補佐,同神谷匠木材製品調達担当専門職が紹介され,井口真輝室長より,次のご祝辞を頂戴した。

「木材製品技術室長の井口です。本日は,お招き頂きお礼を申し上げる。木材の利用では,戦後造成した人工林の多くが利用期を迎える中で,森林資源を循環利用しながら木材需要の創出・拡大と,国産材の安定供給体制の整備を両輪に林業の成長産業化を実現させることが急務となっており,これらを達成する為,今後5年間の森林・林業政策の指針として森林・林業基本計画を策定した。一方,平成27年度の木材自給率は33%まで上昇したが,さらに国産材の安定供給に向けて施業の集約化促進,人材の育成・確保に取り組んでいく。また,木材需要の創出・拡大では,関係省庁と連携して公共建築物への木材利用の促進,CLT の建築部材としての普及・促進,木質バイオマスのエネルギー利用,付加価値の高い木材製品の輸出拡大等に積極的に取り組んでおり,林業の成長産業化の実現に向け皆様のご理解とご協力をお願いする。加えて,地球温暖化防止では,森林は二酸化炭素を取り込み固定するため,その育成が重要であり,財源を確保するため森林環境税の新設に向け努力をしている。今年度末の成立を目指し大詰めを迎えているので,これらについてもご協力をお願いする。」

その後,議長に今村会長が選出され,議事審議に入った。

①  第1号議案
平成28年度決算書(案)が説明され,次いで監事より「平成28年度収支の状況及び財産管理の状況を会計諸帳簿により監査した結果,その内容は適正かつ正確であった。」と報告され,原案通り承認された。
  第2号議案
参事の新設に伴う定款変更について提案理由と,改訂案が説明され,原案通り承認された。
  第3号議案
満了に伴う理事及び監事選任について提案され原案通り承認された。

議長が指名した選考委員会委員は,横浜国立大学名誉教授 矢田茂樹,宇都宮大学教授 羽生直人,森林総合研究所領域長 大村和香子,日本木材防腐工業組合専務理事 関澤外喜夫,日本農薬(株)化学品部長 服部徹である。議長より選考委員会の開催中は暫時休憩することが宣言され,選考委員JWPA ニュース木材保存 Vol.43-4(2017)会はメルパルク東京4階「武蔵」の間で開催され,再開された総会において選考案が発表された。

理事
①石井 正義 積水ハウス(株)執行役員総合住宅研究所長
②石野 信之 大日本木材防腐(株)研究開発グループ長
③江口 文陽 東京農業大学教授
④尾崎慶太郎 児玉化学工業(株)取締役
⑤小野 肇 三井化学アグロ(株)PPM 営業部長
⑥木口 実 ( 国研)森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所長
⑦越井 潤 越井木材工業(株)代表取締役社長
⑧齋藤 栄 兼松サステック(株)取締役木材・住建事業部統轄
⑨鮫島 正浩 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
⑩鈴木 昭 (公社)日本木材保存協会事務局長
⑪田中 隆行 (株)ザイエンス代表取締役会長
⑫千原 勝幸 ミサワホーム(株)技術部理事
⑬辻  修 フクビ化学工業(株)開発本部長
⑭中島 史郎 宇都宮大学地域デザイン科学部教授
⑮中嶋 一郎 住友林業(株)筑波研究所長
⑯橋爪 健二 九州木材工業(株)製造グループ
取締役グループリーダー
⑰馬場 庸介 住化エンバイロメンタルサイエンス(株)研究開発本部主席研究員
⑱藤井 義久 京都大学大学院農学研究科教授
⑲山本 英樹 バイエルクロップサイエンス (株)エンバイロサイエンス事業部開発部長
⑳吉村 剛 京都大学生存圏研究所教授
監事
①五十嵐 玲 大阪ガスケミカル(株)執行役員保存剤事業部長
②坂井 茂俊 (株)オーシカ中央研究所長

選考案について,原案通り承認された。尚,被選任者は就任することを承諾した。

②  報告事項として,平成28年度事業報告,平成29年度事業計画及び収支予算について説明され,承認された。次いで,議長により「以上で予定していた議事をすべて終了した。」旨の宣言がなされ,議案審議は終了した。

引き続き,第28回木材保存技術奨励賞に(株)コシイプレザービング川田達朗氏,第14回木材保存学術奨励賞に東京電機大学森谷友昭氏が受賞され,それぞれの奨励賞が授与された。

2 )臨時理事会(5月23日)

メルパルク東京において開催し,会長に鮫島理事,副会長に田中理事,藤井理事,山本理事,常務理事に鈴木理事が選任された。また,参事に今村祐嗣前会長,飯島倫明前副会長が選任された。

3 )木材保存学改訂4版編集委員会第1回主査会議(6月2日)

関東学院大学中島正夫教授を委員長に,第1章「木材及び木質系材料」は羽生直人委員,第2章「木材の劣化」は田中裕美委員,第3章「木材保存剤」は飯島倫明委員,第4章「木材保存処理技術」は桃原郁夫委員,第5章「安全・環境・廃棄物の管理」は牧伸一委員,第6章「品質管理」は貴志耕太郎委員,第7章「木造構造物」は中島正夫委員長が主査となった。平成30年5月中の出版を目指すこととした。

4 )編集委員会(編集委員会6月16日 幹事会7月13日)

協会事務所において開催し,Vol.43 No.4の編集・校正を行い,7月25日に発行する。片岡委員長をはじめとする新体制となった編集委員会では,今後の編集作業の効率化について,幹事会では,平成30年度に発行予定の日本木材保存協会40周年記念号の内容について話し合った。

5 )年次大会運営委員会(7月14日)

協会事務所において開催した。第34回日本木材保存協会年次大会では,協会40周年記念の催しを行うこととし,その内容について大枠を決定した。40周年記念事業については,年次大会運営委員会と広報委員会と事務局が協力して進めて行くこととした。

6 )JAS 法改正に即した木材保存剤の分析方法の規格化委員会(7月4日)

5月9日の第一回委員会を受けて,対象とする薬剤の分析方法・浸潤度について,作業の優先度を論議し,その概要を決めた。

7 )平成29年度 外構材の色調変化予測委員会

林野庁による平成27年度補正委託事業にて,平成28年4月から平成29年2月まで,木材表面の経年的劣化の予測方法の開発を進めた。当事業で28年度に進めた6ケ所での暴露試験を2年目として継続し,より精度の高い予測方法を開発することを目的とし,表記委員会を当協会独自の予算で委員会を立ち上げ,活動を開始した。

8) 日本木材保存協会40周年事業(7月13日)

木材保存誌44巻での記念号,第34回日本木材保存協会年次大会での記念講演・シンポジウム,日本木材保存協会功績賞について方向性を確認した。

2.事 業
1 )第33回年次大会(5月23日~24日)

メルパルク東京(東京都港区芝公園)において,192名の出席をもって開催した。23日には,ポスターセッションを設けて23件のポスター発表を行い,ベストポスター賞と優秀ポスター賞の各1件が選考され,表彰は懇親会において行なわれた。続いて,昨年決定された第27回木材保存技術奨励賞の片谷昌寛氏(大阪ガスケミカル(株))と第13回木材保存学術奨励賞の伊佐治信一氏(道総研林産試験場)による受賞記念講演が行われた。

24日には,8件の口頭発表が行われた。その間,10団体(企業:5社,委員会:5組織)により,展示会場にて,企業展示・委員会言活動報告が開催された。引き続き,中島正夫氏(関東学院大学)をコーディネーターとして,公開シンポジウム「都市の木質化と保存処理木材の活用」が開催された。話題提供として,「外装木材の初期劣化とその抑制」石川敦子氏(森林研究・整備機構),「木材腐朽と保存処理」手塚大介氏(兼松サステック(株)),「建築物の雨仕舞・結露と劣化の軽減」中島正夫氏,「外装木材の維持管理」荘保伸一氏(越井木材工業(株))があり,講演者をパネリストとして討論が行われた。「都市の木質化と保存処理木材の活用」の積極的な実現には,材料提供側と材料使用(建築)側の相互の理解と努力が重要であることが再認識された。

2)地域材利用の木材関係者等への支援対策事業(平成28年度林野庁補正助成事業)

事業対象とする製遮音壁のリフォーム・リニューアルの仕様を確定し,6月13日及び6月29日に,(株)ザイエンスにて第3回及び第4回現地検討会を開催し,リフォーム・リニューアル工程を確認した。第4回現地検討会では,事業対象とする群馬県緑化センターの外構材のリフォーム・リニューアルの仕様を確定し,実際の施工計画を詰める段階にあることを確認した。

成果の普及に関しては,6月26日に「外構木材の耐候性とリフォーム・リニューアル講演会のご案内」を協会のホームページに掲載し,参加受付を開始した。講演会は,東京では木材会館で7月11日13:00~14:15,大阪では梅田パシフィックビルディングで7月20日13:00~14:15,群馬ではホテルラシーネで8月4日13:00~15:30,福岡では九州大学農学部で8月23日15:00~17:00,盛岡ではホテルルイズ万葉の間で9月6日14:30~17:00で行う。

3)平成29年度木材劣化診断士登録更新講習会兼研修会(7月11日,7月20日)

第3回,第6回,第9回,第10回に資格を取得された方を対象に,東京会場;木材会館(東京都江東区新木場)7月11日及び大阪会場;梅田パシフィックビルディングNES 貸会議室(大阪市北区曽根崎)7月20日にて開催した。

3.その他
1)産学官連携推進合同交流会(5月15日)

東京大学農学部中島ホールで開催され,鈴木事務局長と山本参与が参加した。「木材利活用のさらなる展開に向けた期待と課題-新分野開拓とそれを支える人材育成を考える-」と題した交流会では,技術士の今後に関して多くの議論がされた。

2) 日本木材防腐工業組合総会(5月17日)

鈴木事務局長と山本参与が参加した。当協会今村会長が,長年の功績に対して功績賞を授与された。

3) 日本学術会議主催学術フォーラム「危機に瀕する学術情報の現状とその将来」(5月18日)

日本学術会議講堂で開催され,山本参与が参加木材保存 Vol.43-4(2017)した。学術誌による発信,学術誌へのアクセスを維持することの重要性と課題などが論議された。

4) 日本木材加工技術協会総会(5月26日)

木材会館で開催された。当協会からは,会員資格で鈴木常務理事が出席した。総会後に木材加工技術賞と市川賞の受賞講演,及び「宇治・平等院における文化財の保全,再生,創造」の特別講演があり,山本参与も参加した。

5) 木材保存剤の実用化研究会

5月31日にニッサンクリーンAZN 実用化研究会の第2回工場実験,6月22日に第2回委員会を開催した。

6) 第48回国際木材保存会議(IRG)

ベルギー国ゲントで開催されたIRG年次大会に鈴木事務局長と山本参与が参加し,大会運営に関する情報を得た。2021年大会への公式立候補書類が日本から提出(2017年3月)されたことがIRG総会にて示された。なお,2018年は南アフリカのヨハネスバーク,2019年はカナダのケベックで開催されることが決定された。2020年はスロベニアから,2021年は日本からの公式立候補があったことも併せて報告された。

7) 日本農林規格の定期見直しに関するアンケート調査について(6月16日)

独立行政法人農林水産消費安全技術センターから依頼のあった,構造用パネルのJAS 規格及びフローリングのJAS 規格の見直しに関連して,保存処理について回答した。

8) 平成28年度事業の内閣府報告(6月23日)

授業年度終了後,2ヶ月以内に提出が義務付けられているもので,当事業年度について報告した。

9) 木材サミット2017(7月3日)

大建工業会議室(東京都千代田区外神田)において木材サミット2017が開催され,参加団体として鈴木事務局長が出席した。FITバイオマス発電,木材利用に関する教育・人材育成などが課題となった。

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