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みちくさ vol.50 No.1 (2024)

昨年の十二月の初めだったろうか、朝起きてテレビをつけると、「大谷翔平・カブスと契約!」と報じている。「フーン、ドジャースじゃあないんだ。カブスということは鈴木誠也と同僚になるわけか」などと思ってしまった。

これはまさに「夢の中の話」であったことはその後の展開をみれば明らかなのだが、それにしても、最近見ることがほとんどなくなった僕の「夢」のテーマが大谷翔平だったことは不思議な感じがした。もっとも最近の情報によれば、カブスと契約したのは大谷ではなく今永昇太、また松井裕樹がダルビッシュ有の在籍するパドレスに入団したというから、前述の僕が見た夢も半分くらいは正夢だったのかもしれない。

夢を見る理由については現在のところ不明なのだそうで、そのメカニズムも、研究対象となっている部分が多いらしい。例えば、一般的には夢は浅い眠りに陥るレム睡眠中に見るとされ、ノンレム睡眠時は発現されないと考えられているものの、ノンレム睡眠時にも夢を見ると考える研究者も多いという。そして、通常、睡眠中はそれが夢だとは意識しておらず、目覚めた後に自分が感じていたことが夢だったと意識されるようになるのだが、自分が今見ているものが、夢であることを自覚することが出来る場合もある、とのことだ。

ところで落語にもよく夢の話が出てくる。有名なのは「芝浜」「夢の酒」「天狗裁き」「鼠穴」など。これらのうち「芝浜」を除く作品には、確かに夢の場面は出てくるが、「芝浜」ではそのような場面はないのである。

また、映画「男はつらいよ」の冒頭の夢のシーンも寅さんの見た、あるいは「見たい」夢なのだろうと思う。

さて、僕のこれまで見た夢で、一番覚えているのは、就職してしばらくした頃見たものであるから、もう五十年以上前のことになる。当時の就職先の事務に「卒業証明書」の提出を求められ、なぜかわざわざ、大学の事務の窓口に向かった。

私:昭和○○年××学科卒業の△△です。

事務方:少々お待ちください。(と言って奥に引っ込む。そして)......あのう、卒業者名簿にお名前がないんですが。

私:えっ(絶句)。.........なんだ、夢か......

(徒然亭)

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