木材保存誌コラム

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会誌「木材保存」の人気コラム、「みちくさ」「虫めがね」「木くい虫」を公開しております。下記ボタンから、それぞれのコラムを読む事が出来ます。

「ロンドン大疫病」とニュートン [虫めがね]

虫めがね vol.47 No.3 (2021)

一六六四年十一月にロンドンの西部でペストが発生しました。その後、しだいに東部、北部にも広がり、ロンドンの各所で猛威をふるいました。翌年の夏頃には一晩のうちに千人もの人が亡くなりました。大学も閉鎖され学生たちは故郷へ帰りました。宮廷もロンドンからオックスフォードへ避難しました。貴族や紳士のようなお金もちは家族や使用人を引き連れて、ロンドンを脱出し、田舎の別荘や知人を頼って避難しました。貿易商や船...

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最近、気になっている言葉 [みちくさ]

みちくさ vol.47 No.3 (2021)

現在でも「木材利用と環境負荷」といったタイトルでお話することがある。 このときのキーワードの一つが「カーボンニュートラル」。すなわち環境科学上の定義では「植物由来物質の燃焼・分解に伴って排出される二酸化炭素量は、その植物が成長過程で吸収した二酸化炭素量と等しい」ことを示した概念であることは本誌読者には自明のことであろう。 そしてこの「植物由来の物質」の代表格として木材が取り上げられ、例えば...

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十年前のあの日 [みちくさ]

みちくさ vol.47 No.2 (2021)

東日本大震災発生から十年。 あの日、僕は「国交省・林野庁連携プロジェクト:木のまち・木のいえ担い手育成拠点事業」成果報告会での発表のため、東京の水道橋にいた。 発生直後、近くの公園に避難したものの、ほどなく揺れが収まったため報告会は再開された。東京は震度5強であったという。 夕方、災害の全容が次第に見えてきた。その時点では震源やその規模、そして「大津波」の状況であった。都内の交通機関は止...

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川柳と俳句(2) [虫めがね]

虫めがね vol.47 No.2 (2021)

数年前に「川柳と俳句」の題目でこのエッセーを書いたが、その続編を書いてみる。 最近は俳句ブームと言われている。それはTBS系列テレビで八年あまりも続いている毎日放送制作の「プレバト!」という人気バラエティ番組に負うところが大きい。俳人の夏井いつき先生に浜田雅功というお笑い芸人を司会者に、梅沢富美男などの芸能人が作った俳句を夏井先生が査定する。芸能人が作った凡作の句でも夏井先生の添削で見違える...

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長崎出島と鎖国政策 [虫めがね]

虫めがね vol.47 No.1 (2021)

学会で長崎に行ったついでに国指定史跡「出島」を見学に行った。当時は島であったのだろうが、今は埋め立てられて陸続きとなっている。路面電車で、「出島」という電停で降りるとすぐに出島和蘭商館跡入口が見えてくる。 徳川幕府は鎖国政策を採り、日本人の海外渡航を禁じ、海外からの帰国者は死刑にした。それと同時に外国船の来航も制限した。しかし外国船がもたらす生糸、絹織物、ラシャ、象牙、砂糖、ガラス製品、胡椒...

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